核医学について

診療

体内に放射性同位元素(アイソトープ)を投与して病気の診断、治療を行う医学分野を核医学と呼びます。当科の核医学部門では、核医学検査と核医学治療(アイソトープ内用療法)を数多くの患者さんに対して行っています。核医学検査はさらにPET検査とPET以外の検査に分けられます。

 

  1. PET検査

    PET検査としては、主にフッ素18で標識されたブドウ糖を体内に投与して、専用のPET-CTカメラで撮影するFDG PET-CT検査を保険診療として行っています。がんの術前の病期診断や術後の再発診断に有用性の高い検査です。
    また、O-15標識されたO2, CO2, H2Oを吸入することで脳の血流や酸素代謝を測定することができます。脳血管障害の治療方針決定に有用な検査ですが、この検査は全国的にも実施できる施設が少ないため、全道から患者さんが集まっています。
    研究目的には、他にいくつかの放射性薬剤を使用していますが、詳しくは研究のページをご覧ください。

  2. PET以外の検査

    骨シンチグラフィー、心筋血流シンチグラフィーなどの古典的な検査から、オクトレオスキャン(神経内分泌腫瘍に対する検査)、ダットスキャン(パーキンソン病などに対する検査)といった新しい検査まで、幅広く行っています。これらの検査は院内外の診療科の医師が必要とした際に連絡を受けて実施し、すみやかに報告書を作成して担当医に提出しています。

  3. 治療

    甲状腺癌術後の微小残存腫瘍や転移性腫瘍に対して、I-131内用療法を行っています。5床の放射線治療病室を持ち、1回の治療あたり5.5ギガベクレルまでのI-131を投与することができます。バセドウ病に対しては外来または入院でI-131ヨウ素内用療法を行っています。前立腺癌骨転移に対する塩化ラジウム(Ra-223)の内用療法は外来で、また褐色細胞腫に対するI-131 MIBGの内用療法は自由診療として入院で行っています。

他施設からの核医学検査、核医学治療の依頼は随時受け付けております。地域医療連携福祉センターもしくは核医学診療科外来(011-706-5776)までご連絡ください。