令和元年8月1日付で北海道大学大学院医学研究院放射線科学分野画像診断学教室の教授を拝命いたしました。放射線科学分野は昭和24年に放射線医学講座として若林勝教授が初代教授に就任し、入江五朗教授、宮坂和男教授、白土博樹教授に引き継がれ、放射線診断や放射線治療において先進的な業績を残されてきました。昭和58年には核医学講座が独立して古舘正從教授が初代教授に就任、玉木長良教授に引き継がれ、PET装置やPET製剤開発などで多大な功績を残されています。令和元年度からはそれぞれ放射線治療学教室と画像診断学教室という形で新たなスタートを切ることになり、本画像診断学教室は放射線診断・IVR・核医学に関する診療・研究・教育を担当しております。
画像診断学は様々な診断機器を駆使して全身を網羅するものであり、高い専門性に加えて幅広い視点も要求されます。そのため、各専門領域の教員はエキスパートとして高度な診療や研究に従事しておりますが、若手医師には広く様々な分野を研修してもらい、多様で深い知識・技術を習得してもらうようバランスの取れた医師育成を目指しています。広い北海道はまだまだ放射線科医が足りない状況であり、学部教育から専門医教育まで一貫した教育体制を整備し、北海道の放射線医療の活性化を目指しています。
診療においては画像診断・IVRは縁の下の力持ちであり、様々な診療科の先生方の依頼・要望に応えるサービス科でもあります。医療安全においても重要性を増しており、迅速かつ的確な読影レポートの発行、急変患者に対応できる高度なIVR体制などをしっかりと構築していきたいと考えています。
研究においては北大発で世界初となるようなオリジナリティの高い研究を目指しています。画像診断・IVRは装置やデバイスが高度化していますが、基礎系や理工系の研究者との密接な連携に基づき、諸先輩方が築いてきた北大のフロンティア精神を引き継ぎながら、最先端の画像診断研究を推進できるような体制を整えていきたいと思います。