岡村 実幸 先生
(専攻医2年目)
札幌医科大学 2019年卒
(インタビュー時 卒後4年目)
- 放射線診断医を志したきっかけ
私は北海道医師養成確保修学資金制度という地域医療を担う医師確保を目的とした道庁からの支援を受ける立場で大学に入学しました。修学資金制度の立場の入局者も多く手技のある科に興味を持っていたこともあり、なんとなくですが出身大学の麻酔科への入局を考えていました。
初期研修1年目終了時点でも同様に手技のある科に興味を惹かれましたが今後長年働くことを考えたら体力的に難しいと思い、入局先を決めきれずに2年目となりました。研修を通じて画像の読影に苦手意識があったため、2年目の早い時期に放射線科でのローテーションを組みました。それまで放射線科への入局は全く考えていませんでしたが、CVポート作成などの手技が楽しいと思ったことをきっかけに放射線科に興味が湧きました。放射線科について知るうちに手技もできて体力的にも外科系の他の科に比べたら不安が少ないと思ったこと、どちらかというと治療が主となる科よりも診断を行う科が自分に合っていると思ったことから放射線科への入局を決断しました。
- これまでの研修
入局にあたり問題だったのが修学資金制度についてで、それまで北大放射線科に同じような立場の医師がいませんでした。しかし教授、医局長をはじめとする各先生方や道庁職員の皆様のサポートがあり、初期研修後7年間のプランを考えた上で入局することができました。修学資金制度の関係で卒後3、4年目は札幌・旭川圏内での勤務ができないこともあり、私は後期研修1、2年目を苫小牧市立病院で行いました。
苫小牧市立病院はどちらかというと読影が主体の病院で1日およそ30件超の読影件数がありました。多種多様な症例を経験できたのはもちろんですが、他科との距離感が近かったことから気軽に相談をしたり相談を受けたりとする機会が多く、知識面でも他科との関わり方の面でも非常に勉強になりました。手技は週2回の手技日が設けられておりCVポート作成やシャントPTA(経皮的血管形成術)、ドレナージチューブ挿入などを主体に様々な手技を経験することができ、緊急のIVRは月1回あるかどうかで他科に比べて呼び出しは少なかったと思います。また、専門医取得のためCTや単純写真、IVRなど一定の経験数を必要とするため後期研修では少なからずそれらを意識して研修を行うこととなりますが、地方の市中病院でも指導医の先生や大学からのサポートは手厚く、何も心配せず研修を行うことができました。
- 学生さん・初期研修医へのメッセージ
放射線科は働きやすさが魅力の一つです。診断に興味のある方や、手技をやりたくて読影業務に抵抗がない方には向いているように思います。もしも皆様の選択肢のひとつとして放射線科があるのであれば嬉しいです。後悔のないように専門の科を選んでほしいのでありのままをお伝えしたつもりですが、なかなかイメージがつきにくい部分もあるかもしれません。他大学や地域枠からの入局、詳細な業務内容など些細なことでも相談に乗れればと思うので、まずはお気軽に連絡お待ちしております。