診療
体内に放射性同位元素(ラジオアイソトープ、RI)を投与し、体を切らずに病気の診断、治療を行う医学分野を核医学と呼びます。核医学では、臓器や病変の形だけではなく、はたらき(機能)や性質を調べることができ、がん、心臓の疾患、脳神経の疾患など、さまざまな病気の診療に利用されています。
当科の核医学部門では、核医学検査と核医学治療(放射性医薬品を用いる治療)を数多くの患者さんに対して行っています。核医学検査はさらにPET検査とPET以外の検査に分けられます。
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PET検査
PET検査としては、FDG、flutemetamol(ビザミルⓇ)、fluciclovine(アキュミンⓇ)、Ga-68 PSMA(ロカメッツⓇ)などの各種トレーサーを用いた検査を実施しています。
FDG-PET検査はがんの術前の病期診断や再発診断、てんかん、心疾患、大型血管炎に有用性の高い検査です。
フルテメタモルを用いたPET検査では、アルツハイマー病に特徴的な脳内アミロイドβの沈着を可視化することが可能であり、抗アミロイドβ抗体薬による治療の際に必須となっています。
フルシクロビンはアミノ酸トランスポーターを介して脳腫瘍に集積するという特性を有し、腫瘍と正常組織のコントラストが高いため、脳腫瘍の進展度を術前評価するのに有用です。
前立腺がんに対するPSMA-PET検査では、前立腺がん細胞に高発現するPSMAに特異的に集積し、病変に対する高い感度を有することが特徴で、Lu-177 PSMA治療を行う前に必須となります。
また、O-15標識されたO2, CO2, H2Oを吸入することで脳の血流や酸素代謝を測定することができます。脳血管障害の治療方針決定に有用な検査ですが、この検査は全国的にも実施できる施設が少ないため、全道から患者さんが集まっています。
研究目的には、他にいくつかの放射性薬剤を使用していますが、詳しくは研究のページをご覧ください。 -
PET以外の検査
骨シンチグラフィー、心筋血流シンチグラフィーなどの古典的な検査から、オクトレオスキャン(神経内分泌腫瘍に対する検査)、ダットスキャン(パーキンソン病などに対する検査)といった新しい検査まで、幅広く行っています。これらの検査は院内外の診療科の医師が必要とした際に連絡を受けて実施し、すみやかに報告書を作成して担当医に提出しています。
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治療
最近、がんなどの疾患に対する有力な治療法として、核医学治療が注目を集めています。核医学治療は、効果が高く、副作用が比較的少ないという特徴を持っています。当院は、6床の放射線治療病室を持ち、核医学治療を多数行っています。甲状腺癌やバセドウ病に対する放射性ヨウ素内用療法のほか、褐色細胞腫や傍神経節腫、神経芽腫に対するI-131 MIBG(ライアットMIBGⓇ)、神経内分泌腫瘍に対するLu-177 DOTATATE(ルタテラⓇ)、前立腺癌に対するLu-177 PSMA(プルヴィクトⓇ)、塩化ラジウム(ゾーフィゴⓇ)による核医学治療を行っています。特に、I-131 MIBG治療は保険適応になる前から自由診療で長年行ってきた実績があり、Lu-177 DOTATATEは全国の中でも早く導入した施設の1つであり、豊富な治療実績があります。また、新しい核医学治療薬の臨床使用を目指した治験にも積極的に加わっています。Lu-177 PSMAでは臨床試験で多数の治療経験があります。
他施設からの核医学検査、核医学治療の依頼は随時受け付けております。地域医療連携福祉センターもしくは核医学診療科外来(011-706-5776)までご連絡ください。
他施設からの核医学検査、核医学治療の依頼は随時受け付けております。地域医療連携福祉センターもしくは核医学診療科外来(011-706-5776)までご連絡ください。



